「医者の言うことは聞いておけ」by Dr.ホッピー


バリウム検査から考える医療現場の実情と医者のカネ儲け?

今回は前回の「診断に有益な写真を撮ろうとした検査技師の過剰被ばく事件」を踏まえて“別の視点”からの内容じゃ。前回を読んでいない方は読んでおいた方がよいかも。さて“別の視点”てぇのは医者の悪行三昧についてじゃ。


医師会も内科学会も検診学会も「医師個人の裁量に任せて…」なんて言っている時代じゃねーぞ。

この時期は会社の定期検診で胃のバリウム検査がよく行なわれる。もしかすると読者の中にもバリウム検査を昨日受けました、明日あります、なんていうタイムリーな方もいるかもしれない。そこでクエスチョンだ。バリウム検査に上手下手があるのをご存知だろうか。たとえば、開業医による検査と病院の検査技師による検査、はたしてどっちが良い写真を撮るだろうか? 正解は病院の検査技師の方が圧倒的に良い写真を撮るのである。前回記事をお読みの読者は「ハハ〜ン、そういうコトなのね」って半分お分かりと思うが、その理由を解き明かそう。


Dr.ホッピー

開業医のセンセイは、単純に「文句を言われないという立場にいる」ことじゃ。つまり地元の名士たるセンセイを立てなければならないンで、オイラ達はお互い同士「アナタが撮ったバリウムの写真はお粗末で病変を診断することができません」と注文を付けない。「もう少し、胃のここら辺が写っていると良いのでしょうね」程度の優し〜い表現が関の山。だから当然ヘタクソ先生はいつまでたっても上達しない。


よろしいかな? 「アナタはバリウム検査の撮り方を知らな過ぎる。こんなお粗末な写真を撮るようでは患者さんに申し訳ないと思いませんか?」などと口が裂けても言わない、言えない、言ってはいけない世界が医者の世界なんです。そんな世界にあなた方読者は胃袋を委ねているんだぜ。


一方、検査技師はそうはいかない。ヘタな写真を撮ろうものなら、「下手だねぇ君ィ〜、だめだよこんなんじゃあ」「やり直〜し」と医者からクレーム(中には罵詈雑言?)。しまいにゃ、アイツは使えないと評判が立ちゃあ仕事がなくなり、失業なんてこともありうる。だからそうならないように検査技師は勉強をし、良い写真を撮るために努力をする。


今夜のお食事

どうじゃ、どっちがいい写真を撮る?なんて火を見るより明らかだわな。検査技師が良いに決まっている。実際、病院から提出されるバリウムの写真はとてもキレイで、読影が疲れない。対する開業医の写真…。「何を診断しようと考えているンですかね、このセンセイ。毎回毎回!…ったく!」ってのが7割くらいかな。じゃあ、どうしてヘタクソなバリウム検査を開業のセンセイは続けるのか? 報酬だよ。現像液やフィルム代込でも保険を使って12,280円。検診ならば常識的な言い値で検査すればそれ以上のお金が10分程度で手に入る。単純に計算して時給7万円。やっめられまシェ〜ン。


検査技師の問題から、検診受診者の思いを無視した検診をする医者の問題へ……。ひとりの検査技師の自殺で終わってしまう話にするのではなく、そこから見えてくる問題をひとつひとつしっかりと考える機会にすべきだろう。難しいことではない。読者諸君が今まで考えようとしていなかっただけだ。