「医者の言うことは聞いておけ」by Dr.ホッピー


ドクターハラスメント一考

俺様は医者ですってね

Dr.ホッピー

長年付き合ってきた胆石ととうとうサヨナラしてきた患者さんから聞いた話。その患者さんが言うには、手術終わりましたってことで家族が呼ばれて執刀医と面会し、どうもご苦労様でしたって感じの通りいっぺんなセレモニーがあったそうな。そこで何の前フリもなく、「こんなン取れました〜」てな具合で、無造作に膿盆の上にデロ〜ンと横たわった状態の胆のうを、家族一同見せられたそうな。
おまけにグッチョリ胆汁にまみれた胆石の入った透明な容器を目の前でブ〜ラブラされる始末。

う〜む、情けない話だがオイラが医者になった頃と驚くほどにナ〜ンも変わっていない。
「ホレ、悪いトコロ取ってあげました。ホレ、見なさい。ココ、こ〜こ、ねっ。ちゃ〜んと取ってあげたでしょ?」って・・・。ホラあなた、ありがたいでしょ?ありがたがりなさいよみたいな上から目線なノリ。やっぱ欧米では「ご覧になりますか?」から始まるのがスタンダード。最近はやれインフォームドコンセントだのガイドラインだのEBM(Evidence-based medicine=根拠に基づいた医療)などとカッコつけているけれど、医学界の意に反して医者個人の人間性は全く進歩しとらんようじゃの。


「医者から目線」で退散

今夜のお食事

ある時、ポニョ先生なるドクター担当の患者さんから、オイラのところで診てくれまいかとご相談いただいた。
「ポニョ先生に怒られたんです。なんでもっと早く来なかったんだ!って」
「以前、夜間に具合が悪くて来たら偶然ポニョ先生が当直で、担当ということに…。でもなんでこんな時間に来るんだって剣幕で、あの先生なんだか怖くって…。」
と。あのな、ポニョ先生よ、一般ピーポはナニがほっといて良いものなのか、どの状態が危険なのか、医学的知識がないからわからないのだよ。そんな基本を忘れて「もっと早く気づけ」とか「この程度のことで今時分に来るな」と患者さんに言ってしまうのは医者失格だあに。オイラはどうしているかって? 前者へは「がんばり過ぎですよ」、後者へは「こんな時刻に来るんだからよっぽどつらかったのね」と言っておる。ツラくて来院された患者さんに共感して差し上げるってこと。気持ちを察した言い方ができれば目の前にいる患者さんも安心するもんなんだよ。

お医者さんの読者もいらっしゃるかもしれません。お互い気をつけないといけませんな。